外壁塗料の種類と効果
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル(安価) | 3~5年 |
ウレタン(安価) | 6~8年 |
シリコン(価格、耐候性共バランス良) | 10~13年 |
フッ素(高価) | 12~15年 |
無機系(超高価) | 20年以上 |
ウレタン塗料 - コスト抑える -
他の塗料に比べ価格が安いため、アパートやテンポなどの広い面積を塗装するのに使われます。
耐久性はありませんが、ツヤが出やすく安い価格で綺麗な仕上がりに出来るため店舗の塗り替えにお勧めできます。
◎高い汎用性
扱いが簡単で、誰でも綺麗に仕上げることのできる塗料です。◎防カビ・防藻性
大切な建物を汚してしまうカビや藻が生えるのを防いでくれます。◎価格は安いけれど耐久性はあまりない?
耐久性が低いので長い間綺麗な外観を保ってくれることはありませんが、安く仕上げることが出来るため頻繁に外壁の色を変えたいというご希望をかなえることができます。職人からの一言
最近でも多く使われる、職人にとっても扱いが簡単な塗料です。この塗料にはなんといっても値段が安いという長所があります。
安くてもツヤのある綺麗な仕上がりにしやすい塗料です。
耐久性には期待できませんが新しくお店を始められる方などには初期費用を抑えることができるのでお勧めです。
ただ、次の塗り替えを10年後くらいと予定されている方には少し耐久性が足りないでしょう。
フッ素樹脂塗料 - ずば抜けた耐久性 -
この塗料は20年先にも80%以上の光沢を保つことが出来るという、耐久年数約20年のずば抜けた耐久性があります。
さらにフッ素には親水性があり一度汚れてしまっても洗い流すことができます。
外壁のほかにも、こまめに塗り替えることの出来ない部分、屋根などの塗り替えに適している塗料でしょう。
◎高い耐久性
紫外線に強く色褪せが少ないため、長期間美しく保つことができます。◎高い防汚性
塗膜がガラス質に近く、水垢やホコリなど汚れのつきにくい性質を持っています。◎ライフサイクルコストの削減
フッ素は、耐久性があり汚れにも強いというふたつの性能を持っています。職人からの一言
色褪せしにくく、ツヤも長持ちする。その耐久性はみなさんの期待以上かもしれません。
外壁のほかにも屋根などの塗り替えに適している塗料です。
耐熱塗料と断熱塗料について
1. はじめに
近年塗り替えをお考えの際に、節電塗料・省エネ塗料・エコ塗料といった塗料を気になさる方が多くいらっしゃいます。 これらの塗料は遮熱・断熱塗料とほぼ同じものです。ここからはその遮熱塗料と断熱塗料がどんな仕組みでどんな効果をもたらすのかをご紹介していきたいと思います。
遮熱塗料と断熱塗料、名前は良く似ていますが文字の通りに一方は熱を遮る、もう一方は熱を断つとこの2つはそれぞれまったく違った性質があります。
では、この2つの塗料がどうやって熱を遮る、熱を断つという効果をもたらすのかをお部屋の温度が上がる仕組みからご説明しましょう。
2. 温度上昇の原因
お部屋の中は外の気温と太陽の光によって暑くなります。外の気温も太陽の光によって暑くなるので主な原因は太陽の光と言えます。他に、お部屋の電化製品もわずかに温度を上げていますがその影響はとても小さなものですので、今回は太陽の光についてのみお話します。
太陽のもつエネルギーの中で熱を持っているのは赤外線です。赤外線は太陽光エネルギーの50%を占めています。
受ける赤外線は太陽の高さで量が変わります。
夏は暑く、冬が寒いのは夏は太陽の位置が高く、冬は太陽が低い位置にある為です。
夏場の高い太陽からは光エネルギー(赤外線や紫外線など)を多く受け、冬場の低い太陽からは光エネルギー(赤外線や紫外線)が少なくなるということです。
3. 遮熱塗料「高日射反射塗料」とは
2.では、赤外線がお部屋の温度を上げているというお話しをしました。では、お部屋の温度を快適に保つためには赤外線を遮ればいい。遮熱塗料とは熱の原因である赤外線を塗膜によってある程度反射する ことができ、熱の影響を減らすことの出来る塗料のことなのです。
代表的な遮熱塗料
パラサーモ(弱溶剤NAD系屋根用遮熱塗料)
水性パラサーモ(水性1液シリコン樹脂屋根用遮熱塗料)
パラサーモシリコン(弱溶剤シリコン樹脂屋根用遮熱塗料)
パラサーモシールド(中空バルーン配合屋根用遮熱塗料)
ロックペイント シャネツロック
4. 断熱塗料とは
2.では、赤外線がお部屋の温度を上げているというお話しをしました。遮熱塗料は赤外線を反射することによってお部屋の温度が上がるのを和らげていますが、断熱塗料は熱自体を遮断する塗料です。
塗膜表面の熱は時間が経つにつれてお部屋の内部に伝わっていきます(熱の伝導)。
断熱塗料はこの伝道熱を遮断できます。
通常の塗料(塗膜)の場合は、すぐに熱が内部に伝わってしまうことになりますが、この断熱塗料の場合は、ある程度、内部に熱が伝わるまでの時間を遅らせることが出来、内部の温度が上昇する時間を抑え、結果内部の温度が上昇するのを和らげることが出来ます。
ただし、一般に断熱材と呼ばれるものと塗料の断熱とでは考え方の異なる面があります。
断熱材は通常、熱の伝わりにくい素材をその素材の厚みによって、熱の進行する時間を遅くします。
ですから、熱の伝わりにくい素材グラスウールを50mmの暑さで設置して断熱性能を持たせたり、厚みを倍の100mmに変更したりして性能を高くします。
一方で断熱塗料は、熱の伝わりにくい素材を使ったとしても十分に必要な厚みにとることは出来ません。
通常、塗膜自体の厚さは50μ程度。
仮に厚みをつけたとしても1~2mm程度のものですので、断熱材と比べるととても薄いものです。
断熱性能のみで比べると、性能は一般的な断熱材の方がはるかに高いといえるでしょう。
従って、塗料の場合は断熱塗料のみで使用するとそれほど断熱性能は上がりませんので、ほとんどの場合、遮熱塗料と組み合わせて使用することが多いようです。
遮熱塗料によって、表面の温度上昇を食い止め、その表面温度の内部への進行を断熱塗料によってある程度防ぐことが一般な断熱塗料の使いかたになります。
塗料によっては、内部に進行している熱エネルギーを、塗膜内部の素材によって熱エネルギーの反射作用を働かせて、さらに進行を遅らせている塗料などもあります。
遮熱塗料の製品の豊富さに比べますと、断熱塗料で上市されている塗料の数は非常にすくないです。
代表的な遮熱・断熱塗料
エスケー化研 サーモシャット工法
日進工業 ガイナ
5. 遮熱塗料・断熱塗料により期待できる効果と建物構造
遮熱塗料と断熱塗料のどちらとも室内の温度の上昇を和らげる目的で使われていますが、重要なのは、どんな構造の建物でも一定してまったく同じ効果を得ることは出来ないということです。建物の用途や形状によって、既存の断熱設備がどれくらいあるかによって全く違った結果になります。
一番効果の出やすい建物は倉庫や工場(例外もあり)と言われています。これらの建物には、断熱材などの断熱層がないケースが非常に多く、効果が出やすく節電効果も期待することが出来るといわれています。
一般的に遮熱・断熱カタログの中に載せられている製品比較の為の写真、グラフなどは効果の出やすい倉庫や工場、またはプレハブでの実験結果やサーモグラフィー写真が多いです。 逆に効果があまり期待出来ない建物はといいますと、私達が生活している戸建住宅となります。